【洒落怖】トンネルの先

トンネルの先

もうだいぶ前の話。
買い物の帰りに姉を見かけ、ちょっと脅かそうと思って後をつけて行った。
姉はどんどん進んで行って、ふと気付くとまったく知らない道だった。

引き返すことも出来ずただ後を追うとトンネルに入った。
またこのトンネルがえらく長くて出口は見えるのにいつまで歩いても出られない。
それどころか姉にもたどり着けなかった。
そのうち姉も見えなくなりひたすら歩くだけ。

トンネルに入って2時間はいたと思っていたのに外は明るいまま。
もう戻れないと思い途方に暮れて泣いていると後ろから誰か走って来た。
そこでなぜか助かると思わずに走って逃げてしまった。
すると急に前のトンネルの穴が明るくなり思い切り走るとついに外に出ることが出来た。

周りの景色を見るとまったく知らないところでひまわり畑の一本道だけ。
一本道を抜けると田園が広がる田舎だった。
農家の人の家に上がらせてもらい家へ電話すると現在は使われていなかった。
事情を話して警察へ行くとまったく違うところへ住んでいた。
日付や年や県も変わっていないが何もかも分からなかった。

ずっと住んでいたことになっているが見たことのない風景だったし、
地域の人やクラスメイトの顔も店も学校も分からない。
それどころか文字やいろいろな物にも違和感を覚えた。

しかも両親はいるが姉はいなかった。
結局何だったのかはさっぱりだけど、これが私が体験した一番怖い話。

洒落怖をシェアする
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする