洒落にならないほど怖い話

【洒落怖】無音のドライブ

無音のドライブ

昔の話だが聞いてくれ。

飲み仲間達と心霊スポットへ行こうと言う話になり、男2人女2人のベタな編成でベタな地元の怪トンネルに行く事になった
トンネルにまつわる噂もよく聞くもので、クラクションを鳴らすと霊が出る。手形がべったり車につけられる。
そんな都市伝説的なものだったので、たいして期待もせずワイワイと騒ぎながらAの車でトンネルへ向かった・・・。

一番はりきっていたのはAで昔からの親友でもある。
手形がついたらすぐ解るようにと洗車までしてきたオカルト好きだ。
B子とC美は飲み友達でとくに霊感もなくノリで参加したようだった。

俺は友達とはいえ女の子とはしゃぎながらのドライブに満足していた。
軽くビールを飲みながら田舎の山道を走り30分ほどで問題のトンネルに到着。
さすがに雰囲気は満点でAがトンネルに入る前に自慢の怖い話をして盛り上げる。

クラクションをピーピー鳴らして気合いを入れると徐行しつつトンネルへ進入していった。
中は明かりがついてるにもかかわらず妙に薄暗く、全員口数が少なくなってきたところでAが
「よし!ここら辺でクラクションいくか?」と嬉しそうに言う。
女の子達は怖いね~と言いつつ嬉しそうだドキドキしながらAを煽る。

Aは「いくぞ~!」と言うと同時にクラクションを鳴らした。
すると「プヒ~ン」とありえない程なさけない音がトンネル内を響いた。
全員大爆笑で「何この音??ww」「面白すぎww」と雰囲気ぶち壊しで大笑い。

ハマッた俺達はクラクションを連打し337拍子をしてみたりと大爆笑。
「プップヒップヒヒーン」と鳴らせば鳴らす程なさけない音が響く。
しかし異変はこんな大爆笑の中突然起こった。

突然全員が笑うのやめシーンとなった。
あれ?と思い後部座席の女の子達を見てみると、口をパクパクとさせて笑っている。というより顔が笑っている。
俺の耳がおかしいと気がつくのに時間はかからなかった。
まったくの無音で喋っているつもりだが自分の声すら聞こえない絶対無音。

AやB子C美に大声で助けを求めたところ、全員同じ現象が起きたらしく、口をパクパクさせながらジェスチャーで耳が聞こえないと訴えてきた。

Aがガクガクと振るえながら大急ぎで車を走らせる。
俺は絶対無音の中恐ろしくて後ろも振り返れなかった・・・。
何か見てしまいそうで怖かったからだ。
トンネルを抜けても無音は変わらずあ゛ーあ゛ーと騒ぐも何も聞こえない。

10分程走り山道を抜けたあたりで「治った?」とB子の声が聞こえ、異常な現象が終わったと確認できた。
B子とC美は後部座席で怖かったとワンワン泣きじゃくり、情けない事に俺も安心したのかボロボロと涙を流していた。

Aはトンネルから出る時点で泣いていたので全員で泣きながらのドライブとなった。
やっとコンビニを発見しホットコーヒーを買い落ち着いたところで、全員でさっき起きたことについて口々に語りあった。

俺とB子、C美が興奮しながら何も聞こえなくなった事を熱く語っているとAが「俺お前等おかしくなってすげー怖かった」とまた泣き出した。

実は何故かAだけは何事もなく聞こえていたらしく、
突然笑っていた俺達が大声で「あ゛ーあ゛ー」「何コレ?何も聞こえない」「助けて!」などと言い出し、全員狂ったんじゃないかと思い怖かったんだ。と涙ながらに打ち明けた。

その後とくに何事もなく日々を過ごしているが、今でもトンネルを通ると思い出し洒落にならないほど怖いといっている。

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