【洒落怖】朗読の電話

朗読の電話

実際にあったお話です。

怖い話が好きで、自宅の近所であった自殺の話を少し脚色して、ネットで公開したそうです。
その夜、投稿に対するレスを確認していると、突然電話が鳴りました。

自分が投稿した文章を電話の向うで朗読しているそうです。
か細い、女の人の声で。
これは自分の文章だとスグにわかり、きっと個人情報を得た人間の悪質なイタズラに違いないと思いました。

ところが、脚色部分から、次第に朗読する女の声質が変わり、かすれた声になり、男の声に変わってゆきました。
しかも、脚色した内容とはかけ離れた、実際にあった自殺の内容になっていったのです。

投稿した内容は、自殺者が女性、首吊り、文語体。
変わって行った内容は、自殺者が男性、首吊り、口語体。
実際にあった自殺は、男性、首吊り。
怖くなって電話を切り、無意識に手を合わせて「南無阿弥陀仏」を繰り返したそうです。

自分の家には仏壇も無く、そんな習慣も無いのに。
今でも、女性から男性へと変容してゆく時の声が耳について離れないそうです。

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