木にぶら下がる黒い物
俺が小さい頃、幼稚園で東京の御岳山に一泊二日のお泊りに行ったんだけど、そこで奇妙なものを見た。
登山の最中に、木の枝に黒い物体がぶら下がっていた。
昔の黒いゴミ袋に空気か水をいれて膨らませた感じ。
でも、ゴミ袋ではなくて生き物っぽかった。
見た目の質感はテカテカ、ヌメヌメしてた。
俺が見に行ったときは既に騒ぎになってた。
園児たちは大はしゃぎしていたが、先生は動揺しているようだった。
先生は真剣なトーンで「ダメダメ離れなさい。見ちゃダメ。早く行くわよ。」と言って、すぐにその場から園児たちを離した。
っていう体験なんだけど、あまりにも奇妙だったので、時がたつにつれて「俺の記憶違いかなぁ。」って思うこともあった。
でも、小学校高学年の時に、同じ幼稚園出身の女子が他の子に
「本当に真っ黒で木にぶらさがってたんだよ!」って力説しているのが聞こえてきた。
その子は絵まで書いてたんだけど、俺の記憶そのままだった。
中学に入って再会した同じ幼稚園出身の男子もその黒い物体を覚えていた。
俺含めて計3人が記憶していたんだから記憶違いではない。
あれは何だったんだろう。
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